ロスコ・ルーム イニシアティブ
© 1998 Kate Rothko Prizel & Christopher Rothko / ARS, New York / JASPAR, Tokyo G4115
01 / DESIGN
建築ユニットSANAAによる「ロスコ・ルーム」のデザイン構想
国際文化会館の新西館に開設する常設展示室「ロスコ・ルーム」の設計を手掛ける建築ユニットSANAAには、DIC川村記念美術館や米国のロスコ・チャペル、英国のテート・モダンのロスコ空間をご訪問いただき、作品と空間の在り方について深く理解を深めていただきました。
新たな「ロスコ・ルーム」は、アートと建築を起点とした協業の象徴です。国際文化会館が誇る、唯一無二の日本モダニズム建築と近代日本庭園が調和する環境を最大限に生かしていただきました。
02 / Concept
デザインコンセプト
庭園から連続するアプローチ
ロスコ・ルームへは、新設される緑豊かなエントランス庭園に囲まれたエントランスホール、自然光を感じることのできる地下のメディテーションスペースからアプローチします。(仮称)国際文化会館新西館建設計画のメインコンセプトの一つである親自然空間体験と、ロスコ・ルームの単独的な空間体験のふたつを両立させ、ひと続きの体験となる構成を目指します。
© 1998 Kate Rothko Prizel & Christopher Rothko / ARS, New York / JASPAR, Tokyo G4115
展示室の中で独立した空間
ロスコ・ルームは、地下の展示室内にあります。他の展示と連続しながらも、独立した場となるように計画します。ロスコ・ルーム自体が明確な存在感を持ち、訪れる人に象徴的な体験をもたらす空間を目指します。
03 / Architect
妹島和世+西沢立衛による建築ユニット
SANAA(サナア)は、妹島和世と西沢立衛による日本の建築家ユニットです。1995年に設立され、透明感のある軽やかなデザインと、環境と調和する建築で世界的に高い評価を受けています。
2010年には建築界のノーベル賞と称されるプリツカー賞を受賞。金沢21世紀美術館、ルーヴル・ランス(フランス)、ニューミュージアム(ニューヨーク)など、国内外で数多くの文化施設を手がけています。
その作品は、内と外、自然と建築の境界を曖昧にする独自のアプローチで知られ、訪れる人々に新しい空間体験を提供しています。
Messages
メッセージ
このたび国際文化会館の再編計画の一環として、シーグラム壁画を展示するロスコ・ルームの設計に関わる機会に恵まれ、たいへん光栄に思います。静かな展示環境の中で、ここを訪れる人々が作品と深く向き合える場となるよう、設計を進めてまいります。
妹島 和世
Kazuyo Sejima
1956年生まれ。1981年日本女子大学大学院修了。
1987年妹島和世建築設計事務所設立。1995年西沢立衛とSANAA設立。現在、ミラノ工科大学教授、日本女子大学客員教授、大阪芸術大学客員教授、ペンシルバニア大学客員教授、横浜国立大学名誉教授、東京都庭園美術館長。主な妹島和世建築設計事務所の作品に再春館製薬所女子寮、梅林の家、犬島「家プロジェクト」、すみだ北斎美術館、日本女子大学目白キャンパスがある。
西沢 立衛
Ryue Nishizawa
1966年生まれ。1990年横浜国立大学大学院修了。
妹島和世建築設計事務所を経て1995年妹島和世とSANAA設立。1997年西沢立衛建築設計事務所設立。
現在、横浜国立大学大学院Y-GSA教授。主な西沢立衛建築設計事務所の作品に森山邸、House A、十和田市現代美術館、豊島美術館、軽井沢千住博美術館がある。
グレイス・ファームズ Photo: Iwan Baan
SANAA
2004年ヴェネチアビエンナーレ国際建築展 金獅子賞、2010年プリツカー賞、2022年高松宮殿下記念世界文化賞建築部門など数多くの賞を受賞。主な作品に、金沢21世紀美術館、ニューミュージアム(アメリカ)、RolexラーニングセンターEPFL(スイス)、ルーヴル・ランス(フランス)、グレイス・ファームズ(アメリカ)、荘銀タクト鶴岡、ボッコーニ大学新キャンパス(イタリア)、ラ・サマリテーヌ(フランス)、ニュー・サウス・ウェールズ州立美術館ナーラ・バドゥ館(オーストラリア)、香川県立アリーナ、台中緑美図(台湾)など。
04 / CULTURE NETWORK
ロスコ・チャペルとの連携
ロスコ・チャペル
DICと国際文化会館は、1971年にアメリカ・ヒューストンに設立された無宗派の礼拝堂であり、内部にはマーク・ロスコが晩年に制作した14点の絵画が恒久設置されている「ロスコ・チャペル」と各々パートナーシップ提携を締結しました。
「ロスコ・チャペル」は、宗教・文化・国籍を超え、アートを媒介に内省、対話、和解を促す場として、国際的に高く評価されています。同チャペルはまた、アートを通じた社会変革や人権・平和をテーマとする活動拠点としても世界的に重要な役割を果たしています。
本パートナーシップ締結により、両者それぞれ、アメリカのマーク・ロスコの中核拠点であるロスコ・チャペルと連携し、海外との文化的ネットワークを形成します。